「一括借上契約」の気になること
更新日:10月5日

「一括借上」という名前、ちょっと気になりませんか?
オーナーと管理会社との間で結ぶ「一括借上」という契約。
別に気にしなければなんてことないですが、この契約名称ちょっと気になりませんか?
私は、長年疑問を抱いてきています。
契約するのは、
オーナーと管理会社です。
それなのに、「借上」なんですよね。
誰が誰から借り上げるのか。
もちろん、言葉の意味としては、
「管理会社がオーナーから物件を借り上げる」
ということなので間違ってはいません。
でも、なんとなく引っかかりませんか?
私には、ちょっとだけ、
「管理会社がオーナーの物件を借りてあげます」
というニュアンスを感じてしまうのです。
もちろん、そんな意図があるわけではありません。
あくまで私の個人的な感覚です。
ただ、長年この業界にいたからこそ、余計にそう感じるのかもしれません。
本来、オーナーと管理会社は「契約相手」
オーナーと管理会社は、本来は対等な契約関係です。
オーナーは物件を提供する。
管理会社は管理や入居者募集、運営などのサービスを提供する。
一括借上の場合には、さらに管理会社が物件を借り上げ、入居者へ転貸する。
つまり、お互いに役割があって成り立つ関係です。
ところが、業界に長くいると、ときどき、
「管理会社がいなければ、この物件は経営できませんよ」
「この会社だから融資が通るんです」
「全部こちらに任せておけば大丈夫です」
というような、管理会社側が主導権を握っているように感じる場面に出会うことがあります。
もちろん、すべての管理会社がそうだという話ではありません。
優秀な管理会社がオーナーの収益改善に真剣に取り組み、オーナーの立場に立って提案しているケースもたくさんあります。
ただ、長年この業界を見てきた私としては、
「管理会社がオーナーを管理する」のではなく、「管理会社とオーナーが一緒に物件を経営する」
という関係のほうが、本来あるべき姿ではないかと思っています。
「借上」という言葉に業界の歴史が見える?
考えてみれば、言葉にはその業界の考え方や歴史が表れることがあります。
「一括借上」という言葉も、単なる契約名称として見れば何の問題もありません。
でも、
「誰が誰から借りているのか?」
と少し立ち止まって考えてみると、なかなか興味深い。
そして、そこからオーナーと管理会社の関係についても、いろいろ考えさせられます。
言葉というのは面白いものです。
「一括借上」は、業界では長く使われてきた契約名称ですが、最近では時代にあわせて
「一括賃貸借契約」とかに契約名称が変更されたりもしています。
契約名称ひとつ見ても、時代の変遷、オーナーと管理会社の力関係、管理会社の精神とか
が透けて見えて面白いと思います。
ちなみに、私も昔は管理会社側でした
ここまで偉そうに書いてきましたが、最後に一つ。
私自身、長いこと管理会社に勤めていました。
しかも、まさにこうした一括借上や賃貸管理の仕事に関わってきた側の人間です。
なので、
「管理会社って、こんなところがあるよね」
などと書いておきながら、
「いやいや、それを言っているあなたも管理会社側だったでしょ」
と言われれば、その通りです(笑)。
だからこそ、管理会社を批判したいわけではありません。
むしろ、長く業界にいたからこそ、
オーナーと管理会社は、もっと対等なパートナーとして付き合えるはず
と思っています。
一括借上契約も、単なる契約形態の話として捉えるのではなく、
「オーナーと管理会社が、どんな関係を築く契約なのか」
という視点から見てみると、また違ったものが見えてくるのではないでしょうか。
今回は、そんな「一括借上」という言葉についての、気になる話でした。



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